UK Tier 2 General ビザをアメリカから申し込む方法

(イギリスは移民関係の制度変更が多いので、いつまで参考になるかは分かりません。実際に申し込むときには、UKBAのサイトを参考にしてください。General work visa (Tier 2) - GOV.UK

はじめに

最近、UK Tier 2 General ビザをアメリカで取得しました。情報を調べるのがなかなか手間かつ、日本語で情報がほとんどないので、同じような状況の人の助けになれば、と思ってこのブログ記事を書いています。申し込み方法について記述していきます。Tier 2 Generalを申し込む人一般の参考になると思いますが、私のような状況の人(アメリカで学位取得し、アメリカに滞在しながらUKビザを申し込む)には特に役に立つのではないかと思います。

職を得る

まずは職を得て、雇用者にスポンサーになってもらえないとビザを申し込めません。具体的には、職に応募してオファーをもらい、そのオファーをした雇用者がスポンサーとなってUK Border Agencyに、スポンサー証明(certificate of sponsorship)の申し込みをします。スポンサー証明の登録は一月に一度しか行われないらしいので、タイミングによってはけっこう待ちます*1。このスポンサー証明には、就職する人の個人情報、職場の情報、給与額、雇用期間、雇用までのプロセスに関する情報などが載っていて、これらの情報が、下記の点数システムの条件を満たすことで、ビザが下りることになります。ちなみに、資金力の証明を雇用者がする場合(下記)には、その情報もここに載っています。

点数の確認

UKビザは点数方式になっていて、この点数を満たさないとビザが下りません。自分が点数を満たしているか、ここ(http://www.ukba.homeoffice.gov.uk/pointscalculator)で確認します。これが満点の70点ないと申し込めません。

50点が、イギリスでの仕事に関する条件です。基本的にはスポンサーが面倒を見てくれます。私の場合は、30点をLabour market testで獲得し、20点を最低給与水準(年俸2万ポンド以上)で獲得しました。Labour market testとは、雇用者がそのジョブの求人情報を一定期間以上公示して広く応募者を募ってはみたものの、UKあるいはEU内の求職者で他に雇える人が居なかったということを示すテストです。私の場合は雇用者が大学で、この手の手続きには慣れているだろうから不安はありませんでしたが、ネットの掲示板を見ていて、企業への就職でこれが不十分なためビザがリジェクトされた、という人が居ました。スポーツ・パーソンのカテゴリもあり、スポーツ選手はこのカテゴリで、50点を獲得できます。最近プレミア・リーグで活躍してる日本人サッカー選手も申し込んだんだな、と感慨深いです。

10点は英語力です。私の場合は、英語で教育が行われる大学で学士以上の学位を取得する、という条件で取得しました。この場合は、学位証明を提出する必要があります。

10点は資金力です。給料が入ってくるまでの期間に一定の資金がないと困る、ということで、最低限の資力を持っていることを自分もしくは雇用者が示す必要があります。過去3ヶ月の口座残高が一定額以上ある残高証明、あるいは雇用者による被雇用者の資力の証明、のいずれかが必要になります。私の場合は後者でしたが、そのため雇い先の大学から結構な額の残高証明を求められて少し困りました*2。後者の証明がある場合には、UKBAに残高証明を提出する必要はありません。

必要書類

送った書類は以下の通りです。

  • オンラインの申込様式のプリントアウト
  • 追加の様式
    • Point based system form (link)
    • Point based system, Appendix 5 (link)
  • 写真
  • パスポート(私の場合は期限切れのものも含め2通)
  • 米国の移民関係の書類
  • 学位証明書(facsimile copy)
  • Biometric receipt

これらの書類で、返却を必要とするものはコピーを取って一緒に送る必要があります。コピーがないと返却しません、とのこと(OPTカードが返って来なかったりするとかなり困ります)。オンラインでの申請後、これらの書類を整えてニューヨークのビザ・アプリケーション・ハブに送付します(Visa processing times - GOV.UK)。

オンライン申し込み

スポンサー証明が下りたらまず、オンラインで申し込みをします。必要事項を記入していきます。パスポートやスポンサー関連の情報が必要なので手元においておいてください。申し込みが済むと支払いの画面に移ります。申込料金と、返信の送料(UPS one day shipping)で、計800ドルでした。また、バイオメトリック情報登録(Biometric information enrollment)の予約もここでします。

学位証明書

学位を証明するものを送る必要があります。Original documentを送れ、と書いてあるので、そのための準備が必要です。多くの大学でディプロマのfacsimile copyを作ってくれますが、それを送ります。

Biometric information enrollment

Application Support Centerでバイオメトリック情報を登録します。これはUKBAがアメリカの移民関係のサービスをする機関(United States Citizenship and Immigration Services)に委託して行われているようです。予約した時間に出向き、指紋や顔の情報を登録します。指を怪我していると撮れません*3。Biometric appointment のプリントアウトを必ず持って行ってください。このプリントアウトの上に、登録を証明するスタンプを押してもらい、それがレシートになります。このレシートも一緒に送ります。

写真

イギリスパスポートサイズの写真(米国からの申込の場合は1枚、要件はここ)。要件を満たす写真を撮ってくれるところがあまりない上に、アメリカ人はいい加減なので、不安です。私の場合はWalgreensで最初とりました(店員によっては知らなかったりしますが、彼らはそれ用のフォーマットを持っていますので、サイズを満たす写真を撮ってもらえます)。ただ、要件によると背景はクリーム色またはライトグレーということになっているのですが、ここでは背景は白でしか出力できません。それが不安で、ネットで探してイギリスビザの写真をここで撮ったというレビューのあった、近所の写真サービスで撮り直しました。しかし、これもかなり白い背景で、やっぱり不安に。「これ大丈夫なの?」って店員さんに訊いたら、「いまままで背景で問題になったことはないから大丈夫」と言ってくれたのですが、店員さんはラテン系のノリのメキシコ人だったので、結局不安は残ったわけですが、実際は大丈夫でした。実は、Point based system formによると、オフホワイトでもいい、と書いてあります。それだったらWalgreensでとった写真でも良かったんじゃないか、と思ったり。

米国移民関連の書類

アメリカに合法的に滞在していることを示すための書類を送る必要があります。私のステータスはF-1 post completion OPTだったので、I-20, I-94, OPT cardを送りました。

Priority Service

中々がめついことだと思いますが、UKBAは優先サービスのオプションを提供しています。これは、追加料金を払った人を優先して審査するというシステムです。料金は150ドル。何が早くなるのか、というと、まず書類の封筒をすぐに開けてもらえます。届いた申請書類を順次開けていくらしいのですが、優先サービスなしだと封筒を開けるだけで1週間も待たされたりしますが、優先サービスを利用すると、すぐに封筒を開けて、他の申込者をすっ飛ばして、すぐに審査してもらえます(開封後48時間以内に通常は終了)。

全体としてどれほど違うのかというと、優先サービスを利用しない場合、開封までに1週間ほど、その後10営業日程度*4審査に時間がかかるので、全体で3週間は最低でも待つのですが、優先サービスの場合は、速達で書類を送ると5営業日程度で書類が届いたりします。

申し込む場合には、書類が全部揃った後に、Priority Serviceの支払いをウェブで済ませ、そのレシートを添付して送ります。また、封筒にもPriority Serviceと記入します。これにより、担当者が封筒を見つけてすぐさま開封してくれます。

私は、このシステムがあるのを申込時に知らなかったので、追加で後からサービスを利用しました。封筒が開封されるまで知らなかったので開封まで1週間ほど待ちましたが*5、プライオリティ申込後には、5営業日で手元に書類が帰ってきました。

おわりに

といった感じです。新しい職場の非英国人のボスが、「同僚のカナダ人教授ですらビザが拒否されたこともあるから、気を付けろよ」などと言っていたので、けっこうビビっていたわけですが、わりとスムーズだったのではないかと思います。皆様の参考になれば。

*1:私の場合は、タイミングが悪く、けっこう待ちました。

*2:3ヶ月継続して1万ポンドといった感じ。最近まで院生だった私にはキツイです。自分で証明する場合には800ポンドが3ヶ月という感じなので、これだったら自分で証明したほうが楽。

*3:実は私は指をひどく切る怪我してしまい申し込みが遅れました。

*4:審査にかかる現在の平均日数はここ

*5:月曜日に書類を送り、翌週水曜日に貰ったメールに、「封筒を開けました!!」とか書いてあって、びっくりしました。高い料金を払ってFedEx overnightで送ったのに、まだ封筒開けてもなかったのか、と。

卒業しました

すっかりもってご無沙汰していて、現実の知り合いの誰がこのサイトを未だにRSSリーダ等に登録しているのか分からないのですが、この5月をもってテキサス州ヒューストンの某大学から学位をいただいて卒業しました。これからこのサイトを頻繁に更新していきたい、というような希望は特にないのですが、何ヶ月かに一度、備忘録としてこのサイトを自分が利用しているので、少なくともしばらくの間はこのままにしておこうと思います。

ちなみに、8月までの身分は卒業した大学の無給研究員、ということになります。なんだか間が抜けています。

factor変数をstring変数に

別にどうって事ないんだけど、毎回忘れてググってああ、そうだった、と時間をムダにするので。

Rのfactor変数はラベルが貼ってあって、一見すると文字列みたいなんだけど、str()で確認すれば分かるけど、中身は数字。でも、文字列をそのまま利用したいことって結構あるとおもうのですが、その方法。

new.var.name <- levels(factor.var.name)[as.numeric(factor.var.name)]

共通のbibfileを複数のコンピュータで使う方法 (in Mac)

Macで環境をセットアップする度に毎回調べていてしかも微妙に探しにくいのか毎回時間がかかって、時間の無駄すぎるので。状況としては、Dropbox等で複数のコンピュータでしかも複数の論文で一つのbibfileを使ってるような場合。私の場合は~/Dropbox/bibfile/の下に全論文共通の大きなbibfileを置いていて、どの環境からのどの論文でも、これを呼び出して使っている。そんな場合に。

  1. Libraryフォルダにbibtexが読みに行くフォルダを作成する。パスは/Users/***/Library/texmf/bibtex/bib。***はusername。このフォルダはデフォルトではなかったりする。
  2. /Users/***/Library/texmf/bibtex/bibでターミナルを開いて元ファイルへのリンクを作成する

ln -s

備忘:pdf->epsの変換

ちょっと必要になって調べたら、
http://blog.hugolab.com/archives/875340.html
でいけることが判明。簡単。ついでなので、(pdf)texソースから、グラフの名前を探して一括変換してくれるスクリプト
"$ perl this_scr.pl my_tex_file.tex"みたいな感じで動く。

#!/usr/local/bin/perl
use warnings;
use strict;
use feature qw/say/;

my $infile = shift;
open my $IN, "<:encoding(utf8)",$infile or die $!; while(<$IN>){
if(/includegraphics.+\/(.+)\}/){system "pdftops -eps **PATH TO THE FIGURES**/$1.pdf";}
}

環境変数の設定(訂正)

そういえばこの記事が間違いだったことにこのあいだ気付いたので、訂正しておこう。
環境変数の設定とか - tizzの日記
bashをshellとして使っている場合、ターミナルを立ち上げたときに、"~/.bash_profile"を読み込む。パスの設定も、ここに書き込む。

export PATH="/usr/local/bin:usr/texbin:/usr/bin:/bin:/usr/sbin:/sbin:/usr/X11R6/bin:/sw/bin:/sw/sbin:"

現在の環境変数の値*1を参考にしつつ、適当に順番を替えて、こんな感じで書いておけば良いわけですよ。デフォルトに戻したかったり、元の環境変数の値を知りたい場合は、このファイルのこの行をコメントアウトして、terminalを再起動すれば良い。

*1:echo $PATHで取れる

Rでのエンコードの問題

このブログは絶賛放置中なのだが、とりあえず備忘を。shift-jis環境の人のdata.frameオブジェクトをもらったらどうするのか。(自分のロケールがen_US.UTF-8とかだとして)

変更するのが変数名だけなら

iconvを使うのが楽。

colnames(original.obj) <- iconv(colnames(original.obj),"cp932","UTF-8")

変数の値までshift-jisなら

windows環境ならロケールそのものを変えてしまった方が楽。*1

Sys.setlocale("LC_ALL","Japanese") #windows OS

追記:これが一番楽だと言うことが判明

Tab-Delimファイルとして保存して、エンコードを指定して開き直す。考えてみれば当たり前か。

write.table(as.matrix(original.data),file="original.table.txt",sep="\t",quote=F)
data.use <- read.table(file("./original.table.txt",encoding="cp932"),sep="\t")

*1:shift-jis(っていうか、cp932)環境で働くのが嫌じゃなければ。私は嫌ですが