カレッジバスケットボールシーズンが始まります

まあ例によって今年もミシガンステイトの試合は見るんだろうな、と思う。昨日のvs Gonzagaが実質的なシーズンのスタートになるので、一応シーズンプレビューでも。*1

High Expectation

ミシガンステイトは昨シーズンのNCAAトーナメントで準優勝し、また、メンバーの多くが残ったため、メディアからの非常に高い評価を受けている。シーズン前ランキングでは多くのメディアが2位の評価をつけている(1位の評価を受けているのはカンザス。)昨年の準優勝は、予想以上の出来だったと言えるので、同じような結果を今年も出せるのかと言われれば、「運がよければ」と答えるしかない。

昨日の試合は、前半(の特に前半)は本当にどうしようもない状態で、ビッグマンをそろえたGonzagaにインサイドで良いようにやられていた。それ以降は、よくやっていたと思う。

Who fills the blank(s)?

昨年のチームからは4人の選手が去った(2人がスタメンで2人がサブ)。主力のひとりはガードで、残りはビッグマン(CかPF)。

ガード

キャプテンを2年(3年かも)務め、カンファレンスの最優秀防御選手に選ばれたTravis Waltonが卒業した。攻撃にはそれほど積極的に参加する選手ではなく、パスセンスがあるというわけでもないので、攻撃面での影響はあまりないだろうと思われる。ディフェンスに影響があるだろうが、彼は、さほどフィジカルに恵まれた選手でもなく、ディフェンスも悪く言えば張り付いているだけ(しかし、かなり有効なのだが)と言った感じだったので、それほど問題にならないと思いたい。

チームリーダーが代わることの精神的な影響は分からん。新しい(Co-)Captainのルーカスがうまくまとめてくれることを期待したい。なんにしても、ガードは枚数もタレントも揃ってるのであんまり心配はないと思う。

ビッグマン

これは大問題。3枚いなくなったし。昨年大きく成長した、それなりにミドルも打てたり、ディフェンスでも器用さを見せていたセンターのGoran Sutonが抜けたのは大きい。また、ウィングスパンが長くブロッカーとして活躍していたIdong Ibok、期待されたほどには成長しなかったけど、ファール要員以上の働きをしたMarquise Grayがいなくなった。というわけで昨年ある程度のプレイ時間を持っていた、インサイドで活躍が期待されるPFとCは全員卒業してしまった。

で、新しい人たちはどうだろう。戦力ダウンを予期して補充はしているのだが。

  1. Tom Herzog(C, 3年(RS), 7'0''): 鳴り物入りで入ってきたわりにはなかなか成長しない3年生(4年目)。ボールタッチの柔らかさや、動きのスマートさが売りだったんだと思うが、いかんせん細い。唯一7フィートあるのに、相手が大きかった昨日の試合でも出番がなかったし、まあもう無理なのかな、という気もする。白人のビッグマンのリクルートは難しい*2のだが、その典型的な例になってしまった感じ。
  2. Derrick Nix (C, 1年, 6'8''): デトロイトの高校で州の高校チャンプになったチームの主力選手。昨年のミシガンのMr. Basketball(高校MVP)。203センチしかなく、トップの大学でセンターとして活躍するには背が3インチばかり足りないが、運動能力が高いようなので期待したい。昨日の試合でも、潜在力の高さを伺わせる動きをしていた。
  3. Draymond Green (PF, 2年, 6'8''): PFとはいえミドル以上のシュートは期待できない、フィジカルの強い選手。昨シーズン末にはそれなりに成長の兆しがあった。昨日の試合でもリバウンドにかなり活躍していたので、今年は伸びるんじゃないかな。背は低いけど横にけっこうでかいのが、リバウンドに有利な感じ。
  4. Garrick Sherman (C, 1年, 6'10''): よく知らん。白人のビッグマンは予測できない。それなりっぽいけど。

というわけで、インサイドがどうなるかは、まだ未知数。みんな成長してくれれば、それなりになると思うが、期待はずれだと大変だろうと思う。あとNixとGreenはフリースローをもうちょっと磨いてくれ(特にNix)。

Possible Concerns

心配なのは、まず上記のインサイド陣の成長だが、それに加えてフォワードも問題がありそう。誰も卒業していないんだけどなぁ。Morgan, Summers, Roeの3人はNBAにドラフトピックされるレベルで*3、才能のある選手がそろっているのだが、まずは怪我が心配。すでに2人が怪我している(MorganとRoe)。

  1. Morgan(4年)はメンタルの弱い選手なので、怪我でシーズンに入るのはとても心配。初戦では怪我を押して強行出場して、散々だったようだ。しかし、昨日のGonzaga戦では、気持ちの強さを出していた。どうやら、チームのCo-captainになったことが、良い方向に作用しているようだ。最後には、退場になってしまったが、例年だったらその後は不貞腐れて、ぼけっとしていたが、昨日は他の選手に声をかけたりして、チームをもり立てようとする姿勢があった。責任感から成長していってくれると良いなぁ、と。
  2. Roe(2年)は全国的でトップランクの才能なんだが、高校時代に怪我をしてからなかなか完全な調子にならない。
  3. SG/SFのSummers(3年)は攻撃ではとても良い選手なのだが、ディフェンスで気を抜いてコーチによく怒られている。

というわけで、フォワードは成長というよりも、怪我なく気分よく集中してプレイできるかが重要な感じ。

My Prediction

不安要素や不確定要素があって予想は難しいのだが、昨日の試合の後半のようにやっていってくれると、カンファレンス優勝とエリート8くらいは期待できそう。そこから先は水物だし。去年から感じていたことだが、私が渡米したころ(2003年)のMSUのチームとは、大きく変わったなぁ、と。当時は、なんと言ってもメンタルが弱かった。リードしなが終盤を迎えても、いつ気持ちが崩れて追いつかれるんだろうと、ドキドキした。それに比べると、今は気の強い選手が多くて、離されていても安心してみられる感じがある。あと、高さはないけど、運動能力がみんなとてつもない。ということで、Chris HillからDrew Neitzelあたりの時代に比べて、まったく別のチームだ(まあ選手がそもそも違うんだが)。

*1:何日かにわけて書いていたのだが、異常に長文になった。笑える。どうせ誰も読まないと思うのだが、最近Dallas方面からアクセスがあるようなので、Dentonの先輩が来てるなら、彼くらいは読んでくれると思いたい。

*2:高校生くらいだと、7フィート(213cm)もあれば飛び抜けて大きいので、背だけで何とかなってしまう部分があって、運動能力がそれほどないことが露見しなかったりする。

*3:ドラフト順位はともかく