Don't Complain; Just Work Harder
雨が降って帰れないので駄文でも。
オフィスで仕事の合間に3日ほどかけて、Randy Pauschの最後の講義を細切れに見ていた。タイトルは、レクチャーからの引用。
Randy Pausch Last Lecture: Achieving Your Childhood Dreams - YouTube
まあ、もう見たって人もけっこういると思うんだけど*1。日本語字幕がついたものも、youtubeにある*2。内容は今さらここで紹介するよりも、Randy Pauschとかランディ・パウシュとかでググれば良い紹介がある。必見とは言わないけど、面白いです。
モチベーションを高めるツールとして考えると、Steve JobsのStanfordの卒業式のスピーチとけっこう似てると思うんだけど、違いは、Randyは子供の頃からの夢を全部かなえるためには、っていう話で、Steveの話は、何でも面白いと思ったことをやり続けよう、みたいな感じ*3で、その点でちょっと違うのかな、と思った。自分について言えば、研究者になるって言うのは子供の頃の夢というわけではないので、子供の頃の夢をかなえるという話は、その点ではそんなに共感しない。
最後の方のスライドに書いてあったことを少し引用しておく。
- Important Advice
- Be good at something: it makes you valuable
- Work hard...
- Be prepared: "luck" is where preparation meets your opportunity
マスクとトヨタ
トヨタがアクセルの問題で大規模リコールをかけていて、ここぞとばかりに米メディアは叩いているわけですが。トヨタの広報が、マスクをかけて応対したのが、ニュースでちょっと話題になっていた。これは1月29日のABCポッドキャストからの書き取り。
専門家A:The danger for Toyota here cannot be understated.
How this is handled will define Toyota for many years to come.
リポーター: It may not help that Toyota CEO, grandson of company's founder, kept quiet until today.
Or that the first response from the headquarters came from a spokesman waring a mask, not a public display of concern American consumers expect.
専門家B: There is a tendency not to get the emotional nature of the American marketplace.
専門家A: They are not visible, they are not accountable, and they are not engaged.
適当訳
専門家A:トヨタにとってこの問題の危険性は非常に大きい。対応の仕方が今後のトヨタのイメージを何年にもわたって決めるだろう。
リポーター:トヨタのCEO(創業者の孫)が今日まで沈黙し続けたことは、この問題の解決にマイナスだ。
本社からの最初の応答が、マスクをした広報から出されたのもマイナスだ。これは、アメリカの消費者が期待するような真摯な対応とはほど遠い。
専門家B: アメリカ市場の感情的な問題を理解しようとしない傾向がある。
専門家A: 彼らは、見えないし、無責任だし、やる気もない。
このトヨタの広報の人の対応はとてもマズい感じなのだが*1、このエントリで書きたいのはそれではなくて、やっぱりマスクってけっこう奇異にみられるんだなあと。こちらだとほとんどしている人がいないので、空港とかでしている日本人を見かけるとやっぱり変だし。
インフルエンザや風邪を予防することの価値はよく分かるので、マスクをすることそれ自体を否定しないけど、アメリカを相手に商売したり、こっちに住む人は変にみられるということを理解した方が良いとは思う。
テキストデータの統計科学入門
- 作者: 金明哲
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2009/04/28
- メディア: 単行本
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細かな感想
- 良いところ
- 扱っている分野が広い。生テキストからのテキストデータの生成から、多様な分析のやり方まで一通り学べる
- 文章が平易で分かりやすい
- 事例が豊富で、理解を助けている
- 悪いところ
- 説明が短すぎる。この厚さで、いろいろ詰め込んでいるので、これ一冊で自信を持って分析ができるようになるかというと、疑問ではないかと思う。普段読む英語の出来の良い教科書は至れり尽くせり系のものが多いので、それと比較すると説明があっさりし過ぎ*1。
- 扱う分野を増やすのは良いが、必要のない解説もあると思う。例えば、確率・統計分析の基礎はいらなかったのでは?確率分布の話や、最尤法・線形回帰の話は、知ってる人には復習程度の意味はあるように思うが、初学者があの説明で何かを得ることは難しいんじゃないだろうか。それよりは、「まえがき」なりで読者に事前の準備を促すことで、これらの解説を省いても良かったと思う。
総評
いろいろな手法が広く浅く紹介されていて良い本だが、本当に「入門」かと言われるとちょっと疑わしい。マイナーな分野なので、教科書が何冊も出版されることが難しいことを考えると、仕方ないのかもしれないんだけど、一冊であれもこれもとやるよりは、ある程度読者を限定して、焦点を絞った解説をした方が良かったのではないかと思われる。
いろいろ厳しい感想を書いてしまったが、ただ、ざっくり知りたい、という私の目的にはかなっていた。統計分析にある程度の素養がある人、あるいは、テキストデータをそれなりに分析したことがある人が、使えるツールの幅を広げ、アイディアを得るというという意味では、良い本だと思う。
*1:手法を理解せずに分析を走らせる時代はさっさと終わって欲しいので、このレベルの教科書であっても、ある程度はきちんとした理解ができるような解説が欲しい。